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子育てしながらステップアップして管理職に。 失敗してもいい、倒れるなら前へ
子育てしながらステップアップして管理職に。
失敗してもいい、倒れるなら前へ
(株)びゅうトラベルサービス 国内旅行事業本部びゅう商品販売部 部長 中村 明子さんNakamura Akiko
- 取得資格 特技
- 総合旅行業務取扱管理者
- わたしの強み
- 楽観的なところ
- このしごとに必要な力は?
- コミュニケーション能力、巻き込み力、課題発見/解決力
- 年齢
- 49歳
- 家族
- 夫、娘2人
子育てしながら、管理職試験に挑戦
大学を卒業後、身近なところで社会の役に立てるところがいいなと思って、東日本旅客鉄道株式会社(以下JR東日本)に入社しました。最初、旅行センターに配属になってから、いくつもの異動を経験しています。28歳の時、できたばかりの育児休業制度を使って、第1子を出産しました。ターニングポイントは、31歳のとき。子どもが1歳になって仕事復帰して間もなく、上司に「助役試験にチャレンジしてみては」と声をかけてもらいました。その時は、正直驚きましたね。助役は駅長や所長を補佐する役割で、管理職への第一歩。当時女性の助役は身近にいなかったですし、具体的なイメージが湧きませんでした。 昇進試験に受かって横浜駅(びゅうプラザ)の助役になりましたが、ほどなく第2子を妊娠、育休を6ヵ月とって職場復帰しました。助役の次のステップは現場長で、30代半ばに試験を受けました。JR東日本では、昇進試験を受けるのは当たり前という雰囲気があります。もちろん、全力投球するのですが、試験に落ちても恥ずかしくありません。試験勉強は、業務に役立ちますし、毎年チャレンジしていました。現場長の資格を得て、企画部門の副課長や横浜の石川町駅長などを経験しました。企画部門と現場を行ったり来たりしながら、現在は、(株)びゅうトラベルサービス 国内旅行事業本部びゅう商品販売部部長兼びゅう予約センター所長を兼務しています。
家事や育児は100%完璧を目指さない
私が第2子を妊娠したのは、助役になって間もないころ。周りの人は「えっ!?」と思ったかもしれないですね。でも、私は、しごとと家事・育児の両立をとりあえずやってみようと踏み切りました。今振り返ると、行き当たりばったりだったかもしれません。先のことをクヨクヨ考えるのではなく、やれるところまでやってみようって。共働きの夫とは、とくに役割分担せず、家事はできる方ができることを片っ端からやっていくというのが基本です。お互いに「手伝う」という感覚はありません。ただし、家事や育児は、完璧を目指さない。たとえば「ホコリじゃ死なないから大丈夫」って、ちょっとのことには目をつぶります。
壁にぶつかったときは、まず相談。巻き込み力が大事
助役になりたてのころは、新米ですからベテラン助役のようにうまくできない。それで、周りの助役さんに付いて勉強したり、研修に参加したりしました。
46歳で石川町駅の駅長になったとき、部下は男性ばかりでしたが、いざ入ってみると意識せずにふるまえました。小規模な駅ですので、地域とのつながりも深く、毎日が新鮮でした。いつの日かまた駅長をやってみたいですね。今は、国内の旅行販売が主なしごとで、部下が100人前後います。営業に数字の壁はつきものなので、実績が思うように伸びないと、リーダーとして進む方向を間違っているのかと悩みます。
しごとで行き詰ったら、私はよく、上司や同僚に相談します。管理職は孤独だといわれますが、自分の考えに凝り固まらずに他の人のアドバイスに耳を傾けると、はっと気が付くことやなるほどと納得することがあります。一人で抱え込まないことが、壁を乗り越える方法の一つだと思います。巻き込み力ですね。
何事も自分一人で抱え込まないっていうのは、子どもがいたからこそ身につきました。子育て中は、保育園や学童など可能な限りお世話になって、周りに相談のパートナーになってもらいました。これは、しごとでも同じこと。自分は今、こんなことをしているということを周りに知らせておくと、急に子どもが熱を出して休まなければいけない時も、しごとが完全にストップしてしまうことがありません。
管理職の醍醐味は、チームで成果を上げること
管理職として心がけているのは元気に振舞うことです。とくに朝の挨拶は元気よく、ね。以前、先輩に「元気じゃなきゃ意味がない」「朝の挨拶は1日の仕事の半分だと思って、元気よくやれ」とアドバイスされ、実行しています。もう一つ大切にしているのは、みんなが働きやすい環境をつくること。今の職場は、組織が大きいため、縦割りでそれぞれのしごとが決まっているので、縦横斜めの調整に心を配っていますね。どうしたら全員で情報共有ができて、うまく意思疎通を図れるのか、常に考えています。今は、正社員、契約社員、アルバイトなどさまざまな雇用形態がある時代。それぞれ、バックグラウンドが違いますから、全員が火の玉のようになって、均一にモチベーションを高めるのは、むずかしい。だから、こちらからいろいろなことを話して、やわらかい雰囲気の職場環境をつくるよう、努力しています。
私にとってしごとは、自分のためでもあります。チームのみんなで考えて工夫した企画がうまくいったとき、目標をみんなで達成したとき、すごくうれしい。チームでPDCAのサイクルを回す醍醐味を味わいたくて、しごとを続けているんだと思います。
これからどんどんリーダーになる女性に出てきてほしいです。「中村さんみたいになりたい」そう思ってもらえるように、意識して元気に明るく振舞っていきたいですね。