「フォーラム通信」2019年秋号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2019年秋号の特集は、「私、のからだ」「私、の生理ちゃん」。


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私、のからだ「大変なのを生理を理由にできないのが大変なんですよ」「生理でつらい」と言いにくい現実日本では生理休暇が法律で認められていますが、実際に取得している人は1%以下(「平成27年度雇用均等基本調査」)。一方、台湾では、生理中の体調不良の場合、仕事を休む人も多く、性別にかかわらず生理についてオープンに話せるそう。つらい時は生理休暇、とりませんか?「生理」=「月経」何と呼びますか?「生理」という言葉は、からだの働きの総称の意味でもあるため、生理痛についても“当然起こること”、“仕方のないこと”というニュアンスを与えてしまうことがあります。そのため、医学用語名である「月経」と呼ぶことを大切にしている人たちも少なくありません。一方、「生理」という呼称は女性の身体的特性を否定することにはならないとする専門家も。「生理ちゃんは人によって本当に様々なの」一人ひとりの体質や感じ方が違うように、生理にも個人差がPMS(月経前症候群)を知っていますか?生理前に起こる心やからだの不調のことです。頭痛、吐き気、眠気、全身の倦怠感、食欲増進、気持ちのイライラや落ち込みなどの症状が現れる人もいます。年齢や体調により、経血の量や、不調の箇所なども変動します。つらい時は我慢せずに、ゆっくり過ごし、周囲の人に理解を求めたり、医療機関に相談してください。「女のシモのもので飯を食う気はない」不便で不快な状態が当然とされてきた生理をとりまくあれこれ世界中の女性起業家たちが、生理中の不満を解決する商品やサービスを開発中!ナプキンが不要な台湾生まれの生理用下着「ムーンパンツ」は、1日着用した後に洗うだけでOK。通気性のある防水シートを含む3層構造でナプキン2、3枚分の液体吸収力があるそう。日本国内でも販売を開始し、話題となっています。欧米では、月経カップについたセンサーで経血の色や量を記録し、体調管理に役立てる技術も生まれています。これら、テクノロジーの力で女性の課題を解決しようとする「フェムテック(Femtech)*」が注目を集めています。*FemaleとTechnologyを組み合わせた造語女性が生理用品や生理痛を緩和させる痛みどめを購入する金額は生涯で100万円近いとも言われます。イギリスでは、生理用品を買う経済的余裕がない貧困家庭の生徒たちが、生理期間中に学校を欠席しているという報道も。毎月の生活必需品であるのに一般品目と同じ税率であることは女性の負担が大きいと多くの女性たちが求めた結果、アメリカ(州による)、カナダでは生理用品にかかる税が廃止されました。オーストラリア、インドでも廃止に向けた動きがあるほか、日本でも、生理用品の保険適用や軽減税率の適用を求める声があります。7フォーラム通信2019秋号生理ちゃんのイラスト=『生理ちゃん』、『生理ちゃん2日目』(ともに著者/小山健、発行/KADOKAWA)より


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