「フォーラム通信」2019年秋号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2019年秋号の特集は、「私、のからだ」「私、の生理ちゃん」。


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私、のからだ思ったり、もっと知りたいと思ったのはアメリカの大学に留学していた姉の影響やアメリカのメディアの存在が大きいです。小さい時からアメリカのドラマを見ていたんですが、主人公がゲイの男性で弁護士の場合でも、日本のようにステレオタイプのなよなよした感じには描かない。その人がぶつかる壁を見て、こんなことがあるんだ、と気づいたりしました。今も、英語のメディアの情報は取ります。日本語の情報だけだと、全然、足りないので、ネットで調べるのも基本、全部英語です。妊娠した時、衝撃受けましたもん。たとえば「妊娠中にコーヒー飲んでいい?」って日本語で調べると、当時は、知恵袋的な掲示板がいっぱい出て、「せっかく授かったんだから大事にしなさい」「飲んじゃダメ」というオピニオンばっかり。それを裏付ける医学的な情報が少ないと感じました。同じことを英語で調べると、「昔はカフェインと流産の関係性があったから飲まない方がよいという意見もあったが、今は、普通の量を飲む分には、胎児には何の影響もない」「特に、お腹が大きくなってきた時にはまったく問題ない」などの医学的な情報が出てくるから、安心してコーヒーを飲めるんですよ。妊娠中に、外でコーヒーを飲もうとすると、「デカフェ(カフェインレス)だよね?」と先に言われてしまって、「まあ、はあ……はい」(苦笑)みたいなことがありました。でも、二人目の妊娠中が一番、コーヒー必要でしたよ、私!ただでさえ妊婦は眠いのに、幼児を追いかけて、くたくた。デカフェ?えー、コーヒー飲ませてよーって。授乳中にお酒を飲んでいいか問題も、日本では絶対ダメ、と言われますが、欧米やアメリカでは飲んでいいという見解。赤ちゃんに影響がないとWHO(世界保健機関)も言っているんですよ。英語で検索すると、情報の母数が多いというのもあると思いますが、自分で判断するためにも、まずは正しい情報が必要。日本だと、情報が手に入りづらいという問題が、一つありますね。性犯罪被害者への思い性犯罪の捉え方についてもアメリカとの違いを感じます。日本ではレイプの被害者が「何着てたの?」「お酒飲んでたの?」「何で一人で行ったの?」と言われがち。でもアメリカではこういうことは「ヴィクティムシェイミング」と言って、被害者を指差す、辱めることとして、超タブーとされているんです。被害者にスポットを当てることは絶対NG。被害者はお酒を飲んでいたか、何を着ていたかは問われなくていいんです。日本もそうなったらいいのになと思ってます。相手の同意をとらずに、性的なことをする奴は、絶対的にプレデター(略奪者)なんです。もっと言うと、「私、セクハラされました」「レイプされました」という人を、日本はまだまだ疑いの目で見る社会。法廷でも無罪になったりするから。でも、こういうことは間違ってるんだなっていうのを今回の世界中の#metooから気づいたんです。性犯罪と戦うのがどれだけたいへんか。冤罪、冤罪って言うけど、実際の冤罪率は全体の2〜8%でしかないと言われてるんですって。性犯罪の被害者が声をあげて得することなんてほぼゼロじゃないですか。だかフォーラム通信2019秋号4ら、アメリカではこの2年くらいで、性被害者の訴えに関しては、基本、信じようって変わってきてるんです。それはそれで危険なんじゃないの?という声もあるんですが、基本的な社会の合意事項としては「被害者を疑わない」。日本も早くそうなってほしい。今は被害にあった方が結局、叩かれてしまうという恐ろしい世の中。話していると怒りがわいてきます。「Wの悲喜劇」ではこういうテーマをよく取り上げるんですけど、一般のテレビのバラエティでやることはまずないですよね。他でももっと取り上げてほしいです。テレビ、メディアのなかで以前は、番組で「胸大きいね、何カップ?」って聞かれることが当たり前でした。それに対して、「なんでそんなこと答えなくちゃいけないんですか?」って返すと、「こいつめんどくさいな」と言われたり。ずっと、胸のことでいじられるのは当たり前、答えて当たり前、みたいな空気でした。でも、その後、司会者側になってはじめて、「そういう質問には答えなくていいですよ」って言ったんです。そうしたら、男性陣のセクハラ発言から女性出演者を守る生徒会長みたいな存在になっていって、それが笑いになった。それで、そういうスタイルいいね、と賛同してくれる人も増えていったんです。ただ、そういうのも、一登壇者だったら自分に対してのことは発言できるけど、他の人を守ることはできなかった。でも、言っていくことで、少しずつ、変わってきていると感じます。それに、若い女性は意識が変わってきています。ある芸人さんが、「ブスなんだから黙ってろ」と言われた時に、「人が変えられないことをいじる笑いは古いですよ」と言ったそう。素晴らしい!かっこいい!と思います。だれか一人をハリセンで叩いたり、突き落したり、顔面に0年代はそれパイ投げたり……8をみんな笑っていたけど、今はもうそれでは笑えないじゃないですか。そうやって人って進化していくから。次は、人を傷つけない笑い、みんなが笑える笑いを作っていくことがテレビの課題。0年代、9そして、私はやっぱり女性同士が鍵だと思ってます。シスターフッドですね。すごく嫌いな言葉があるんです。「女の敵は女」。もちろん女性の中でも苦手な人、嫌いな人はいますよ、でも、それはたまたまその人が女性、ということで。ずっと、心のよりどころだったり、相談相手だったり、助けてくれたのも、いつも女性でした。メディアが「女が嫌いな女特集」とかやりすぎなんです。たまにそういう企画があるならいいんですが、そうじゃないんです。ああいう企画ばっかり!「男が嫌いな男ランキング」はだれもやらないのに。結局あれも、男性のディレクターが作ってるんです。もっと女性のディレクターが増えて、女性たちが番組を作るようになったら、あんな企画ばっかり、通るわけがないんですよ。おかしな〝常識〟、嫌な空気を変えていくには?「嫌いな女」ランキングのアンケート依頼が、私にもめっちゃくるんですが、「男バージョンだったらいくらでも出て


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