「フォーラム通信」2019年秋号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2019年秋号の特集は、「私、のからだ」「私、の生理ちゃん」。


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女の子と自尊心司会をしているAbemaTVの「Wの悲喜劇」で、「〝ブス〟を意識したのはいつですか?」と聞くと、みんな小学校1年生だったんです。男子に言われたことがきっかけで、大人になってもずっと「自分はブス」という呪いにとらわれちゃってる。結局、〝ブス〟かどうかは、ざっくり言うと、モテるかどうか。それって男性目線なのに、女性が受け入れすぎてしまっている。悲しくないですか?みんな、みんな!ちょっと、戻ってきて!って思います。娘が二人いるんですが、宇宙一かわいいと思っています。もちろん、見た目も中身も。でも、娘たちには見た目のかわいさを強みと思ってほしくなくて、勉強とか、自分で努力して身につけた何かで自信をもってほしいんです。「ブス!」とか見た目で判断する人には、「何言っちゃってるの?」と言える強さをもってほしいし、他の子が言われている時にも「すごい程度の低いこと言ってるよ」と言える子になってほしいですね。そもそも、〝ブス〟っていう言葉が死語になってほしい!最近、聞いたんですが、若い子たちがインスタ上で女性の容姿に点数をつけるとか、あるみたい。SNSってそういうのを可視化するうえに、それを言った人に市民権を与えている。昔は一部の人たちの「あの子ってかわいくないよね、ぷぷぷ」という陰口で済んでいたのが、今はだれもが見られる教室の黒板に「○○さんかわいい、○○さんブス」って書か私、のからだれるようなものじゃないですか。それを叱る人もいなければ制御する人もいない。なかなか残酷な時代に生きてる。だからこそ、女の子の自尊心をしっかり育てることが大切だと思います。私のからだは、私のもの「結婚しないの?」とか、「子どもまだなの?」「二人目は?」……と言われること、まだまだ、ありますよね。以前に比べたら、言った人が白い目で見られる空気にはなってきてはいますが。私も、子どものお友だちのお母さんと話す時に、相手が自分発信で、「二人目ほしくて頑張ってるんだけどね」と言わない限りは何も聞かない、インビテーションをもらわなかったら自分からは立ち入らない、というなんとなくのルールを守っています。一方で、政治家の「女性は産む機械」発言とか、本当に恥ずかしい!最近も似たような発言がありましたけど、まだ言うか!と。夫婦別姓が2019年に認められていないって何?反対の理由を教えてほしい。えげつなくめんどくさいじゃないですか、名前を変えるって。LGBTの件も、そう!まだ認めないとか、ありえないですよね。学校で自分のからだのことについて、ほとんど習わないことも問題です。小学校で男女別々で生理のことを習った時、先生が恥ずかしそうに話すから、こっちも恥ずかしいことなんだって思ってしまう、あの感じ。高校の時も保健体育のセックスの授業で、先生が教科書のコンドーム、ペッサリー、ピルの写真を指して、「はい、ここ読んでおいて」くらいで、どう違うかの説明もなかったです。みんなもニヤニヤ笑って終わり。私は、姉が二人いて、全部教えてくれたのと、もうインターネットもあったので自分で調べたりしました。だから余計に、これ、大丈夫?みんな知らないんだよね?と違和感がありました。日本ではタンポン使用率が全体の1割くらいと最近、聞いたのも衝撃で。こんなに衛生的で綺麗好きな社会なのに、生理はいまだにナプキンって……。肌にも良くないし、においの問題もある。ごみもすごいし、ごみ箱に入ってからも匂いますよね。私も中学まではナプキン派でしたが、ある時、姉に「タンポン使ってない」と言ったら驚かれて。「使い方は箱に書いてあるし簡単だよ」と後押しがあって使うようになりました。はじめは、ちょっと怖いじゃないですか。でも、姉に、〝自分のからだを自分で知るって大事だよ〟〝色々、探っていいんだよ〟というゴーサインを出してもらったんですよね。自分のからだなのに、ずっと秘密の花園のまんま、デンジャーゾーンのような扱いで触ったりしない方がいいんじゃないかって、おかしくないですか?自分のからだや性に対して、ノータッチのまま大人になってしまう。性教育がきちんとされていないので、そもそも、女性にとってはタンポンすらチャレンジだし、月経カップなんて、未知の世界ですよね。自分の生理を自分でコントロールできること、どう処理するかもいろんな選択肢があって自分に合った方法を選び取る、そういうことがのちにセックスとかの価値観にもつながっていくと思うんです。「自分のからだは自分のもの」なんだっていう自覚と、自分でコントロールしていいんだ、という自信をつけるのが大事だなと思います。日本では、月経カップは医療器具とみなされるので、薬局などで販売出来ないんですよね。鼻の穴に入れるマスクが駅ビルとかで買えるのに、何で月経カップは買えないの?制度を決める男性の政治家の、あなたの想像のなかで違うだけで、女性からしたらおんなじからだの中のこと。鼻の中には指突っ込めるのに、なぜ膣の中には突っ込めない?みたいな(苦笑)。セックスに対してのイエス、ノーもそうだし、どこまでするのか、どういう風にするのかも、もっと自分が主体的になっていいこと。「性的同意」は大きな課題だと思います。先日、出演したNHK「あさイチ」の生理や避妊の特集で、ピルがからだに合わない人や血栓などの理由で飲めない人がいると知りました。そういう時に海外では避妊法の選択肢がいっぱいあるのに日本にはない。皮膚に貼る避妊パッチとか、子宮内に入れたら5年出さなくていい子宮内避妊器具とか、経血の量や回数が少なくなる便利なものもすでに安全に使用されている。緊急避妊用ピルも海外では薬局で千円くらいで売っているのに、日本では基本的には病院にいかないとだめで、値段も保険適用外だから高額。おかしいですよね。自分のからだを大切にする、守る手段が全然ないんだなって気づきましたね。多様な視点をもつには私自身、色々なことにおかしいな、と3フォーラム通信2019秋号


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