「フォーラム通信」2019年春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2019年春号の特集は、「お金の、悩み」。


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【特集】お金の、悩み夫婦・パートナー間のお金のこと〜私の場合〜さわぐちけいすけKeisukeSawaguchiプロフィール1989年生まれ。漫画家。自身の夫婦間でのエピソードや人付き合いについて描く漫画がSNSで話題となり、コミックエッセイ『妻は他人だから夫婦は面白い』(KADOKAWA)で2017年にデビュー。自然体で新しい夫婦関係が共感を呼び、フォロワー数は20万人越え。単行本3冊目となる最新刊に『妻は他人ふたりの距離とバランス』(KADOKAWA)が。『妻は他人ふたりの距離とバランス』(2018/KADOKAWA)「暗黙の了解」ではなく夫婦の口座は別々です。それぞれが稼いだお金を、それぞれで使っていますが、妻は全然、お金を使わない派で、お金が貯まっていくのが嬉しいタイプ。私は正反対で、持っていると使っちゃう派。江戸っ子じゃないですが、宵越しの金は……(笑)。私は、お金を使ったことによって自分の内面に入ってきたものが財産、と思っているので、お金を使うことが楽しいんです。二人のお金についての価値観はかなり違いますね。でも、妻が私に、「またこんなの買ったでしょ」とか、私の支出に何か言ったことは一度もないです。妻も私も、お互いの価値観が違うこと、違いがあること前提に二人が一緒にいるってことを認識していますね。自宅での食事は、各自、食べたい時に食べたい人が作っているのですが、一緒に買い物に行ったら、食材代は私が払っています。「ある方が払おう」というのがふたりの間でのルールで、私の方が収入が厳しかった頃は妻が払っていました。それも、「暗黙の了解」ではなく、その都度、話して決めてきました。気持ちよく一緒に暮らすためにはお金に関する話題については特に「話せない」、「切り出しづらい」と、考える方もいるようですが、誰かと気持ちよく一緒に暮らすためには、話すことを避けてしまう方が、無駄なコストやトラブルにつながってしまう可能性が高いです。あらかじめ、相手との価値観のズレを認識して初めて、妥協案や対策を考えられるのではないでしょうか。「話すと感情的になって喧嘩になってしまう」という場合は、お互いが機嫌のいい時にタイミングをずらして、冷静に話すようにすれば、問題の解決に大幅に近付けると思います。もちろん、話しても解決しないこと、時間がかかることもありますが、話したことで、相手が自分の状況や何に不満を持っているかを知ってくれているだけでも、安心しますよね。7フォーラム通信2019春号


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