「フォーラム通信」2019年春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2019年春号の特集は、「お金の、悩み」。


>> P.5

【特集】お金の、悩み40代女性会社員結婚してからずっと、夫婦の財布は別。夫は家賃(家のローン)担当で、その他は私が払う等、大まかな担当は決めていますが、あとは、各自の自由。正直、お互いにいくら貯金があるのか、ボーナスを毎回、どのくらい使っているのか、何も知らないんです。私は、老後のことを考えて貯金していますが、夫は誘われた飲み会や冠婚葬祭にはほぼ出るし、全然貯金していない感じ。老後の生活費はまさか、私の貯金をあてにしている?40代女性会社員母親がいわゆる「毒親」で、ずっと過干渉でコントロールしてきます。思い通りにいかないと怒鳴りまくるというモラルハラスメントも。最近、「老後は、あんたにみてもらうわ」、「娘がいてよかった」と勝手に決めつけてきます。母の介護など、老後ケアすること自体にも抵抗がありますが、母の老後のためのお金を私が出すの?と、納得がいかない気持ちでいっぱい。遠方に住む兄は、一切要求もされていないし、お金を出してくれる気配も無し。あなたにとって、相手の行動が自分の許容範囲を超えているんでしょうね。お金のことだけではなく、フェアじゃない感じがしていて、自分が損するんじゃないか、ということを気にしていると思うんです。解決策は、相手をコントロールしようと思わないことです。しようと思うと真逆のことになります。カップルの間には海の満ち引きみたいに、そういった作用があります。一方のお金の使い方にもう一方が不満を持っていて、本人がそれを「マズイな、変わらなきゃ」と思えば思うほど、なぜかさらに無駄なお金を使う方向にいくという場合もあります。もう一つ、もし本当に夫の貯金額を把握したいのだったら、絶対、夫に聞くべきです。この悩みは、今まで夫に聞けないでいることにこそ、焦点を当てるべき。お金の問題だけじゃないことが潜んでいると思います。それを見つめてみて下さい。本当によくあるケース。今すぐ、このお母さんと離れた方がいいです。急いで引っ越して!健康面に不安があったり、金銭的にどうしても家を出られない場合は、家庭内別居して、全く関わりを持たないように。「老後はあなたにみてもらう」とか言われ続けるのは、お金以上のものを搾取されている危険な状態です。これは、親の立場を利用した、人としてのマナー違反なんです。このままだと、あなたが心の病気になっちゃう。お兄さんのことも、「お兄ちゃんもお金を出さないなら、私だって出さない」という風に、意識を変えていいんです。今はお母さんにあなたの人生をゆずり渡しているのと同じ状態。家を出て、まずは、自分のためだけにお金を使うことをして下さい。自分の人生を取り戻しましょう。そうすれば、あとあと、気持ちよく介護できる関係性になれる可能性も出てくるかもしれませんよ。プロフィール1978年生まれ。漫画家、ノンフィクションライター。母からの過干渉に悩み、その葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA中経出版)を2012年に刊行し、ベストセラーに。最新刊は『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(河出書房新社)。二児の母。『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(2018/河出書房新社)30代男性会社員親や会社の上司が、「はやく家を買いなさい」、「何で車に乗らないの?」、「今の若者って海外に行かなくなった」、「つまらない世代だ」と言ってきます。僕たちの世代は、「買わない」んじゃなくて、「買えない」のに……。世代間、時代、社会の状況で置かれた状況が違うってこと、どう話せばわかってもらえますか?これは、マウンティングですね。こういう風に言ってくる人は、このことを分かってくれたとしても、別のことでマウントとってくるはずなので、相手にしちゃいけません。他人をけなすことで自分が優位に立って落ち着きたい、過干渉な人。あなたのように、まわりの人から自分が意図しないことを言われることが多い人は、絶対、環境が合っていない。こんなクソつまんないことを言ってくる人がいない環境に移動すべき。もし、移動できない場合は、自分の意識をチェンジしてみて。どこかで相手の価値観の方が正しいのかも?と思ってしまう自分もいるから苦しくなってしまう。あとは、この人に言いたいことを、別の形で表現すると、健康的だし、カネにもなります。今は、クリエイティブなことが得意ではない人も、表現することが仕事になる時代。好きなことをスマホで撮ってYouTubeにあげるとか、言われた嫌なことをLINEスタンプにしてみる。外に向けて発信したら、共感してくれる人がいて、満足する。満足できる場があると、嫌なことを言われてもだんだん気にならなくなってきます。フォーラム通信2019春号6回答者4田房永子TabusaEiko


<< | < | > | >>