「フォーラム通信」2019年春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2019年春号の特集は、「お金の、悩み」。


>> P.3

20代男性会社員物価はどんどん上がるのに、給料が全く上がらない。日本の給料は今後、上がるんでしょうか?本当は結婚したいですが、この収入では、子どもを養うとか、絶対無理。先の目標や希望を持てないです。給料が上がるか。このままではあまり上がらないでしょう。企業が「利益を従業員の賃金に回そう」という気がほとんどないからです。では、どうすればいいのか。それは「自分は給料が上がるのを待ってるばかりじゃないぞ」とアクションを起こすことです。あなたの住んでいる地域の市会議員や県会議員で、「労働者の待遇改善」に取り組んでいる政治家はいませんか?「働き方や賃金を考える」という集会がどこかで開かれてないですか?そういうところに出かけたらすぐに名前を書かされ、組織の一員になるのではないか。そんな心配はいりません。今は個人情報の時代なので、ムリに名前や住所をきかれることもないのです。すると、「給料上げてほしい」と思っている仲間にも会えますし、「こうやって会社で交渉すればいいのか!」と目からウロコが落ちる体験もできるかも。半歩だけ踏み出してみること、おそれないでくださいね。【特集】お金の、悩み40代女性派遣社員非正規雇用で働くシングル女性です。自分の老後が不安すぎます。正社員だったら、体調不良でも休めたり、入院後にも職場復帰できると思いますが、非正規ではそうはいかない。病気になって長期間休んだら、即、契約切りです。今は、具合が悪い日も、無理して出社しています。老後のためにいくら貯めれば安心、という情報は多いけれど、貯められない人は、どうすれば?同じ問題で悩んでいるのはあなただけではありません。まじめに働いて、親の介護なんかもして、でも正規雇用ではないし結婚もしてない。そんな人が70代になる頃に今より世の中、よくなっていて、「貯金がなくてもひとりで入れる快適な高齢者住宅」ができているに違いない!と私も信じています。でも、そのためにも自分の状態や使える制度を知っておくことは必要。今自分はどんな保険に入っているのか。65歳からの年金はいくら受給できるのか。一度、無料のFP相談などを利用してきちんと整理してみましょう。不安は「何を悩んでいるのかわからないがとにかくコワイ」という段階が一番大きく、その中身を具体的に整理するだけで半分から三分の一に減るといわれてます。姿が見えない不安のオバケの正体を、一度、しっかり突きとめましょう!プロフィール1960年、北海道生まれ。精神科医・立教大学現代心理学部教授。東京医科大学卒業。豊富な臨床経験を活かして、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けている。専門は精神病理学。近著に『大丈夫。人間だからいろいろあって』(新日本出版社)、『女性の「定年後」』(大和書房)、『「発達障害」と言いたがる人たち』(SBクリエイティブ)、『迷える社会と迷えるわたし-精神科医が考える平和、人権、キリスト教』(キリスト新聞社)など著書多数。『大丈夫。人間だからいろいろあって』(2018/新日本出版社)20代女性会社員付き合ってる彼に対するお金の悩みです。コンビニで、私がカゴを持っている時に限って、普段、自分で買わないような高級アイス、値段が高めのひげ剃りなんかをカゴに入れてきて、自分はさっとお店を出て、外で待っていることがよくあるんです。これってたかられてる?お金を貸して、とは言われたことはないけれど、買ってもらって当然、という態度に、腹が立ちます。彼がコンビニでお金を払わない。それはあまりに大きな問題です。その人はそういうクセを持っているので、そのまま一緒にいてもずっとなおりません。将来のことを考えているなら、「高いものを買うなら自分でお願いします」ときちんと言ってみたほうがよいです。そこで怒るような人なら、将来の見込みもありません。そして、もしはっきり言ってもそのクセがなおらないようなら、あなたの選択肢はふたつしかない。「一生、私が養うからいい」とあきらめて一緒にいる決意をするか、それとも「こんな人とはやっていけない」と見切りをつけるか。私は後者をおすすめしますが、それはあなたが選ぶこと。とにかく「いつかは気づいて自分で払うようになる」は甘すぎる。それだけは言っておきたいです。フォーラム通信2019春号4回答者2香山リカKayamaRika


<< | < | > | >>