「フォーラム通信」2017年夏号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2017年夏号の特集は、「イライラ・ムカムカ・モヤモヤ。女の怒りはどこから?」


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相手にひとこと伝えてからその場を去る「気持ちを整理したいので、ちょっと席を外します」数字を少し難しい方法で数える100から3ずつを引いていく(100、97、94、91…)れてしまいます。とはいえ、カッとなって周囲に当たり散らしても、後悔や罪悪感が残りますよね。どちらをとっても苦しむのはその人自身です。 アンガーマネジメントは1970年代にアメリカで生まれました。暴力防止のための心理トレーニングとして始まり、現在はビジネス研修にも取り入れられています。特徴は解決思考であり、実践重視であること。料理やスポーツを習うように、怒りについて学び実践することで、怒りと上手に付き合えるようになります。︱怒りの正体とは 怒りを生むものの正体は何でしょうか。それは、人のなかにある「べき」(願望や欲求)です。他人に親切にするべき、時間を守るべき、帰りが遅くなるなら家に連絡するべき⋮。人はそれぞれ異なる「べき」を持っています。また、たとえば10時開始の会議に、10分前までに行くべきだと思う人、10時ちょうどでいいと思う人、他に大事な用があるからちょっと遅れてもいい⋮同じ「時間を守るべき」でも、捉え方や許怒りでも6秒待てば小さくなっていきます。 6秒をしのぐ方法として、私は、怒りに点数をつけることをおすすめしています。まったく怒っていない状態を0点、相手に思わず危害を加えたくなるほどの激しい怒りを10点とし、今の怒りがどのくらいかを数値化します。状況を客観視できますよ。記録することで自分の怒りの傾向もわかります。これをアンガーログといい、日本アンガーマネジメント協会では無料の携帯アプリを出しています。(2)思考のコントロール 三重丸の図を見てください。これは、怒りの程度と境界線です。中央の丸①は自分と同じ「べき」、その次②は自分とは少し違うけれど許せる「べき」、一番外側③は絶対に許せない「べき」です。怒るのは、③に対してだけでいいんです。「私とあなたは違うけれど、せる範囲はそれぞれですよね。こうして自分の「べき」が目の前で裏切られたとき、人は怒りを感じます。︱3つのコントロール アンガーマネジメントの基本は、衝動・思考・行動の3つをコントロールすることです。(1)衝動のコントロール 怒りを感じたら、まずは衝動をコントロールしましょう。カッとなって強く言い返したり、物にあたったりしないように6秒待ちます。諸説ありますが、怒りのピークは約6秒です。どんなに激しい②少し違うが許せる①自分と同じ③許せないⒸ一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会“べき”の境界線怒りのピーク6秒をしのぐ方法体を動かす手のひらをグーパーする、深呼吸する5 フォーラム通信2017夏号特集2アンガーマネジメントでイライラ・ムカムカと上手に付き合う


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