「フォーラム通信」2017年夏号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2017年夏号の特集は、「イライラ・ムカムカ・モヤモヤ。女の怒りはどこから?」


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特集1女性にかけられた呪いを解く ―情報サイト「ウートピ」ます。このコラムにも「自分の気持ちを分かりやすく言葉にしてくれた」「うすうすおかしいと思っていたことを言ってくれてスッキリした」と、読者から共感の声をたくさんいただきました。︱企画はどのように 生まれますか 雑談から生まれます。ウートピの方針は、雑談を丁寧にすることです。プライベートのグチからできた企画はたくさんありますよ。また、読者層にあたる女性たちに定期的なヒアリングもしています。リアルが大事ですから。 女性向けのWEBコンテンツは山ほどあります。中には、生の声を聞かずに、頭でっかちに企画を立てたのだろうなと思うものもあります。30代女性なら結婚を焦っているだろう、だったら合コンテクを特集しよう、みたいな。ウートピでは、それはしません。︱昨年は昨年は、化粧品やアパレルなど、女性向け商品のCMや、自治体の広告が炎上しましたね 豊作でしたね(笑)。ウートピでもいくつか取り上げました。「女性ってこんな感じでしょ」「こんなものを作れば女性にウケるでしょ」という作り手の姿勢は、女性のモヤモヤ・イライラを利用して、消費しているだけ。心には響きません。物事を多方面から検証して、解きほぐしていくことが重要だと思っています。︱他にはどんな記事が 好評でしたか ダントツで反響が大きかったのは、「「仕事がしんどい」だから専業主婦に逃げようとしている貴女へ」ですね。年収1千万円の男性と結婚したら本当に幸せになれるのか、をテーマに、ファイナンシャル・プランナーの方に取材しました。仕事から逃げていった先が「もっとしんどい」こともある、というシビアな内容でした。 この記事は男女を問わず読まれ、他のメディアにも取り上げていただきました。読者からは「痛いところをつかれました」という感想もいただきました。逃げ道を絶つようですが、幸せは自分の力で手に入れるものだよと言われたことで、かえって楽になった人もいるのかなと思っています。︱女性の状況について、 鈴木さんはどう思いますか 私はウートピに来る前、ビジネス書の編集者をしていました。そこで気づいたのは、「バリキャリ」にニーズはないということです。自分を犠牲にしてまで働きたい人などいない。仕事も生活も大事にしたいし、副業や起業といった、いろいろな働き方があった方がいい。 また世の中には、女性の生き方を「勝ち負け」で見る見方があると感じます。仕事をしているか、管理職についているか、結婚しているか、子どもがいるか⋮いろいろな選択肢が、すべて縦に並んでいます。たとえ自分の意志で結婚しないことを選んでも、女としては負け組だ、なんて。息苦しいですよね。そんな見方に、女性自身も囚われています。︱根深い問題ですね そうです。だから今年のウートピのテーマは「呪いを解く」です。女性に関する、世間の思い込みを解きほぐします。 女同士はドロドロしている、嫉妬で足を引っ張り合っている、女はちょっとバカな方がいい、出産・結婚は女の幸せだ、親の期待に応えるべきだ⋮。私たちの周りにはたくさんの呪いがあります。その背景は何か、そこからどうやって抜け出すか。いろいろな方にインタビューをしながら、読者といっしょに考えます。︱女性に向けてメッセージを いただけますか 今回のテーマは「怒り」ですが、怒るというほど対象がはっきりしていない方も多いのではないでしょうか。昔と比べると、あからさまな性差別は少なくなりましたから。でもなんだか息苦しい⋮。 もしそうなら、知れば楽になることもあると思います。あなたのモヤモヤの正体は何なのか。実は目の前のこと以外にも、原因があるのかもしれません。また、多様な生き方や働き方を知ることで、視野が広がることもあります。ウートピで、あなたの生きるヒントが見つかればうれしいです。3 フォーラム通信2017夏号


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