003【横浜連合婦人会館史を読む】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


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横浜の連合婦人会にはキリスト者が多いんですよね。調べていると、三分の二くらいがキリスト者なわけです。トップの渡辺たまさんは仏教徒ですけど、野村美智さんのほかに、明治時代から会の前身を引っ張ってきた二宮わか、高木鐸とかね。もちろん仏教徒の人もいて、宗教を超えて一緒にやっているというのが素晴らしいんだけど。でもやっぱり、キリスト教の考え方が強い。博愛精神をもって、貧しい人たちに手を差し伸べる、という。彼女たちは基督教婦人矯風会とかYWCAという拠点も既に持っていたから、拠点というものが大事なのもわかっていた。ところで渡辺たまさんは、色んな団体や活動のトップにいたわけだけど、彼女の肉声というのかな、彼女の考えを記したものがない。学校を作ったときも、女子教育の目的とか理念とか、彼女自身が言った言葉は全く残っていないんですよね。全部周囲の人が言っている。だから、彼女の存在ってなんだったんだろうと、私はまだ自分のなかで決めかねているところがありますね(笑)。小園:婦人会館の開館式の時も、最後のご挨拶だけですものね。渡辺たまさんが出てくるのは。江刺:そうそう。なぜ作ったのか、そういう説明は二宮わかが話し、新聞には時田田鶴(横浜英和女学校教師)が繰り返し婦人会館の意義を書いています。157【座談会】「横浜連合婦人会館史」からいま受け取ること


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