003【横浜連合婦人会館史を読む】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


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石山亜紀子いく、これまでの男性主体の活動とは違う社会への関わり方をやっていくというのをやっていったんだなぁと感じました。石山:社会活動は、ついていく人、フォロワーが必要な活動ですよね。渡辺たまさんや野村美智さんは、他の人にチャンスを与えようとするリーダーだったのではないかなと思います。学校を設立して女性の教育機会を増やそうとしたり、生活に困窮している女性に仕事を提供したりすることで、次につなげている。そういうリーダーにはやはり自然に人がついていったのではないかな、と。立場が違う女性たちと連帯して何かを作っていくというのは、「名誉」や「地位」などのしがらみがあるとなかなかできなかったと思います。女性が家庭の外に出て何かを成し遂げるということが難しかった時代に、自分たちの目的のために計画し、資金を調達し、会館を立ち上げて、その借入金を返していくという……しっかりと責任を負って活動している。この冊子に出てくる女性たちは、当時の「上流階級」の女性たちなので、資金の調達は比較的しやすかったのではないかと思うのですが、おそらく自分たちが女性として感じていたモヤモヤを、自分たちが持っている資源を使って、他の女性たちのために、学習や課題解決のための場や機会を提供すると横浜連合婦人会館史100年のバトンを受けとる154


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