003【横浜連合婦人会館史を読む】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


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嶋田昌子さん方は野村洋三というお連れ合いのことしか書かない。これは極端な例ですけどね。でも、野村美智のお連れ合いは、国内外を出歩くことが多くてほとんど店にいない。実際の商会は、野村美智が取り仕切っていたんですよね。彼女が古美術の目利きをし、使用人を差配し、実務を行っていった。もしかしたら、新しい都市だった横浜ならではかもしれませんね。彼女の経営者としての目線が、その後の横浜の女性たちの活動に大きく影響したのではないかな。それからもう1つの柱は、キリスト教の影響。先ほどの江刺さんのお話にもあったけれど、横浜の女性たちの団体は、キリスト教団体の影響が強いのではないか。野村美智も東洋英和で学んで、鳥居坂教会で洗礼を受けている。キリスト教の精神が、野村美智のなかに非常に色濃くあって、その後の活動でも見られるのではないかな。今回の横浜連合婦人会の運営のなかにも影響してるんじゃないかと思います。江刺:渡辺たまは仏教徒。ちなみに彼女の夫である渡辺福三郎も熱心な仏教徒です。子ど1人いた(2人は夭折)。野村美智さんと同じようにたまさんも奥帳場を取りもは1仕切っていた。経理とか人を見る目とかは、そういうところで養われていたんだと思いますね。たまさんは40歳代から色んな社会活動に乗り出していくのだけど、社151【座談会】「横浜連合婦人会館史」からいま受け取ること


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