003【横浜連合婦人会館史を読む】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


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製作品奨励会と御大典奉祝婦人会について述べている。これによると家庭製作品奨励会の発会は一九一三年になる。第一次世界大戦に日本も参戦して、軍需景気が訪れていた頃である。まもなく大正天皇の即位式が一五年十一月十日に行われることになった。祝意を表するために御大典奉祝婦人会ができ、小型の旗を作って販売したので「旗の日会」ともいう。両方とも会長は渡辺たま。これについては、『横貿』が繰り返し取りあげて報道している。一九一五年八月六日には一面トップに「御大典と横浜婦人」の見出し。知事の妻石原静子が呼びかけ、横浜市役所に集まって相談会を開き、参加者は六十人以上にのぼったという。会の名称は「御大典奉祝横浜連合婦人会」、会長渡辺たま、副会長二宮わか、庶務に大橋しげ、西川千代、会計に高木鐸と野村美智という陣容、それに事業目的と内規十条を紹介。「奉祝」のために小型の国旗型徽章を作って販売することになったという。小国旗の大きさは、「縦八分、横一寸で、中央に日章、上に奉祝御大典、下に大正四年の文字を皆繻子地に織出した精巧のもの」で、縦二六・四ミリメートル、横三三ミリメートルとあり、本冊の記述とは大きさが違う。胸にかざすようにできているが、少女用として長めのリボンに織ったものもあるから、髪飾りや帯止めとしてもよい。委員の「上流女性」たちから買うか、事務所のある尾上町五丁目角の渡辺銀行支店で買ってもいいという(『横貿』一九一五年九月十一日)。旗の製作は家庭製作品奨励会が行い、一本二銭で十一月いっぱい販売して七十万本を売り、利益は三五八〇円になり、御大典奉祝横浜連合婦人会は同年十二月に解散した。横浜連合婦人会館史100年のバトンを受けとる126


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