001【表紙~本冊】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


>> P.15

その具体的実行方法として、各家庭に輸出品の内職奨励を行い、また不用品交換会を数次開催して相当の成果を挙げ得たり。たまたま大正四年、大正天皇御即位の御大典を挙げさせたまうの一大慶事に際会し、横浜市においても奉祝のため種々の企てあり、この際横浜婦人の立場より適当なる祝意を表して、曠古の盛儀に参加したしとの熱意おのずから湧き、よりより協議の結果横浜家庭製作品奨励会を中心として計画を進むることに決し、同会において種々立案の末、遂に「旗の日会」案を採決するに至れり。同「旗の日会」の趣旨は、御大典当時を期し、全国民は言うに及ばず、海外在留邦人をも包合して、謹製の小形日の丸の旗を胸間に飾り、皇軍の万寿と国運の隆昌を祈念するに至れり。従来横浜市における婦人団体は個々の立場にありてそれぞれの活動をなし、来れる。いまだ同一目的のために協力一致をなすの機会なかりしが、「旗の日会」の組織を中心として翕然として集まり、全市婦人を打って一丸とするに至れり。これ実にわが横浜婦人界に一新紀元を画せるものにほかならず。しかして、同会の制定せる日の丸の小旗は特に京都西陣の織元に謹製せしめ、絹織白地に赤日の丸を織り出し、旗の上方に奉祝御大典、下方に大正四年と各赤字にて浮織りとなしたる縦八粍横一糎八粍〔二・六㎝×三・三㎝〕の大きさにして、旗を胸間に佩するため安全ピンを添えたるものと、頭部に玉を飾れるピンにて旗竿に擬したるものの両種を謹製したり。その数量は当初百万本と決定せしも、その後自重の説もあり結局七十万本となし、一般売価は一本二銭にして、これを各種公共団体に対し一本一銭二厘にして頒布し、該団15横浜家庭製作品奨励会


<< | < | > | >>