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税理士、FP、カウンセラーetc. 複数の資格をもって、自分らしく、自在に働く

税理士、FP、カウンセラーetc. 複数の資格をもって、自分らしく、自在に働く

税理士・キャリアカウンセラー 山崎悦子さんEtsuko Yamasaki
女性キャリアモデル山崎さん
取得資格
税理士、ファイナンシャルプランナー、キャリアカウンセラー、産業カウンセラー、家族相談士、終活カウンセラー
わたしの強み
素直さ
このしごとに必要な力は?
ミュニケーション能力、計画力、受容力
年齢
50歳
家族
単身赴任の夫、子ども二人、父

転職に使えるスキルとして、ニーズの高い経理の資格を取得

短大を卒業後、旅行会社に入社しました。最初は団体旅行の部署での手配、その後、カウンターでの接客・手配・発券業務をしていましたが、繁忙期は毎日終電で帰るほど忙しく、勤務はシフト制で時間が不規則。若かったけれど、体力的にとてもたいへんでした。
結婚しても、しごとをしていたいという気持ちが以前からあり、結婚後の家事との両立を考えたとき、この会社では、両立ができないなと思いました。当時、交際している人との結婚を考え始めたのを機に、転職を決意しました。相手は同じ会社の同期入社で、二人とも忙しすぎて、結婚したら、しごとも家庭のこともやりきれないと思ったんです。
転職を考えてはじめて、自分に「強み」がないことに気がつきました。英文科を卒業したけれど、英語がペラペラなわけじゃない。何の資格もない。転職に「使えるスキル」を身につけようと、簿記の資格を取ろうと決めました。経理はどの会社にも部署としてあるし、ニーズが高いだろうと思って。
そのまま旅行会社で働きながら、資格取得のための学校に通って、最初に簿記3級、2級を取得し、飲料メーカーへの転職を果たしました。

働きながら簿記1級を取り、そのまま税理士の勉強を開始

飲料メーカーでは、資格を取って転職したのに、経理ではなく、主に商品の受発注、文書管理などの総務のしごとの担当になりました。2年ほどその業務を続けているうちに、経理担当の方が異動になって、ポストが空いたんです。それで「やってみない?」と声をかけられて、資格を活かせる業務につくことができました。
転職したあとも、学校に通いながら簿記の勉強は続けていました。簿記の資格って民間団体がそれぞれに出しているのですが、私が取得した2級は、知名度がある日商(日本商工会議所)ではなかったので、日商で2級を取り直し、さらに1級を取得しました。
1級はかなり難しかったです。私も、2回試験に落ちて、合格するのに1年近くかかったと思います。
簿記1級資格を取ったら、経理の学校の先生に税理士を目指したらとどうかと言われました。「簿記は民間の資格だけど、税理士は国家資格だよ」って(笑)。すすめられるまま、税理士の勉強を始めたのですが、簿記の勉強なんて比ではないくらい覚えることが多かったです。
勤務先が遠くて、しごとと家事と税理士の勉強の3つを継続するのはむずかしく思えたこと、結婚して第一子の妊娠が分かったことで、26歳で会社を辞めることにしました。

家事、子育てで勉強を中断。税理士の資格取得まで11年

女性キャリアモデル山崎さん写真

二人の子どもの子育て&勉強中のとき

第一子出産を機に、実家を二世帯住宅にして、実母に子どもを預けながら税理士の資格取得を目指して学校に通いました。でも、その母が、子どもが1歳の時、交通事故で亡くなってしまったんです。あまりに突然のことで、勉強は一時中断せざるを得ませんでした。
当時、父はまだ働いていて、私が、我が家と実家の二軒分のごはんづくり、洗濯、掃除を担っていました。二世帯住宅は、玄関もお風呂もそれぞれにあって、家事は二倍。子育てと家事とで、毎日大忙しでした。
母が事故で亡くなって1年たったころから、資格取得に向けて、再び勉強を始めました。家で私が勉強しようとすると、子どもが遊びたがるので、時には、保育園の一時保育を利用したり、義母に子どもを預けたり、夫が在宅している土日には、学校の自習室に行って集中できる時間を作ったりして勉強しました。
結局、税理士になるまで、11年かかりましたね。最後の頃、試験前の対策講座や税制の改正があった時だけ、学校の講座を、スポット的に受講していました。
集中して勉強できる環境にいるとか、会計事務所などで働いて実務を積みながら勉強をしていれば、もっと早く税理士資格を取得できたかもしれません。でも、私は専業主婦で、33歳で第二子を出産して、二人の子どもを育てていたので、集中して勉強する時間を作ることが難しかったです。
税理士の試験は、全10科目のうち5科目を取る選択制、しかも科目合格制なので、1科目ずつ合格していってもいいんですね(※)。積み上げができるんです。最初の3科目は比較的スムーズに合格、でも、残りの2科目の所得税、法人税はボリュームが大きく、それぞれ合格するのに2、3年かかってしまいました。本当はどちらかでよかったのですが、実務ではどちらも必要になるだろうと思って、あえて難関の2科目を選びました。
振り返ってみれば、税理士の試験制度は、私のライフスタイルに合っていたから、時間はかかりましたけど、資格を取れたのだと思います。11年間のなかでは、モチベーションを保ち続けるのが難しいときもありました。くじけそうになった時は、学校のなかまと会って「頑張ろう」と支えあって乗り切りました。独学でも勉強はできると思いますが、学校に行くと仲間ができていいですよ。もちろん、「時間の調整をつけやすい、家でもできる税理士資格を絶対に取る!」という強い思いが、私の中にありました。

※税理士試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必須)について行われる。(国税庁 税理士試験の概要より)

ブランク10年以上でも、スムーズな再就職・転職は資格があったから

女性キャリアモデル国吉さん写真

税理士試験合格後、新年会で花束をもらいました

37歳で税理士の試験に合格。再就職したのは、下の子どもが幼稚園に入園した4歳の時です。幼稚園のお迎えを父にお願いし、会計事務所で働くことになりました。10年以上のブランクがあっても、比較的早くしごとを決めることができたのは、やはり、税理士の資格があったからだと思います。
とはいえ、すぐにバリバリと働いたわけではなく、最初は9時半から16時までのパートで、会計ソフトに数字を入力する業務をしていました。
税理士の試験に合格しても、そのままでは資格をもっているというだけで、税理士と名乗りしごとをすることはできません。税理士としてしごとをするには、税理士会への登録が必要で、登録の要件として、通算2年以上の実務経験が必要です。まずは、実務経験を積む必要がありましたが、独立・開業する考えは、全くなかったため、登録自体、考えにありませんでした。
会計事務所で3年、ちょうど子どもが中学1年生、小学1年生のタイミングで、夫の転勤に伴って静岡県浜松市に引っ越しました。静岡に移っても、就職先はすぐ見つかりました。税理士会の支部が各地にあって、履歴書をもっていき、求人があったら、ご紹介いただきたいとお願いしたことで、すぐに連絡があり、公認会計士・税理士事務所で勤務をしました。その後3年たって、今度は夫が東京に転勤になるというので、上の子が高校に進学するタイミングで戻ってきました。
こちらに戻ってくると、以前働いていた会計事務所から、また働かないか とお声かけいただき、勤務することとなりました。その2年後、税理士登録をしました。登録をしていないと、研修などに参加する機会がなく、せっかく取った資格や知識が錆びてしまうと感じたからです。
税理士会に登録すると、税理士を名乗ってしごとができることのほかにも、研修等で新しい知識を得やすですし、税理士同士の横のつながりができます。税制は、毎年変わるので、勉強し続けなければなりません。
税理士登録をして、「税理士課程」を修了すれば、ファイナンシャルプランナー(AFP)資格認定を受ける権利も得られます。47歳で、AFPの資格認定も取りました。

キャリアカウンセラーと税理士。チャレンジして、二足のわらじ生活へ

女性キャリアモデル山崎さん写真

昔は、読売ジャイアンツの大ファン!

神奈川県に戻り、高校入学と同時に野球部に入った子どもが、怪我で野球を続けるのが難しくなり、メンタルが不安定になったことがありました。親として自分に何かできることはないかと考えて、カウンセリングの勉強を始めようと思いました。
カウンセラーの資格は、さまざまありますが、私が取りたいと思ったのは、家族を心理的に援助する家族相談士でした。親だからこそ、かえって子どもが言いにくいこと、できないことがあるんじゃないか、トラブルを抱えた家庭や子どもへの支援がしたいと思ったんです。
ただ、家族相談士は、3年の実務経験がないと受験資格がない。まずは経験を積まないと、と思って、受験資格が必要とされない産業カウンセラーの資格を取得することにしました。
約10ヵ月の養成講座を受講し、受験、合格しました。その後2ヵ月でキャリアカウンセラーの資格も取得、目標だった家族相談士の資格は約1年間の講座へ通い取得しました。
その後、カウンセラーとしての仕事が増え、税理士の仕事とカウンセラーの仕事、そして家事を両立するため、また好きな仕事を好きな時間配分でやりたい気持ちで、勤務先を退職し、独立・開業となりました。
今はフリーランスで、税理士とキャリアカウンセラーの二足のわらじを履いています。両方の知識をもっているので、キャリアカウンセリングを受けている時にお金がらみの相談が出てきても対応できるし、税理士のしごとをする上でも、お客様の話をしっかり聞くということころで、とても役に立っています。どちらも対人のしごとだから、扱うものは違うけれど、しごとをする姿勢は同じですね。

複数の資格をもつ強み

女性キャリアモデル山崎さん写真

「女性としごと応援デスク」にて

これまで、依頼されたしごとは断らずにやってきました。気の進まないしごとももちろんあったけれど、「お願いします」と言ってもらえると、なんとか応えたいと思ってしまうんです。でも、「頼まれごとは試されごと」ですね。断らずにやってきたことが、私を育ててくれました。嫌だなと思うことも次につながるチャンス、成長のチャンスです。場を与えられたと思ってやってみることが、次につながると感じます。
私の強みは、どこに行っても働ける、持ち運びのできるポータブルスキルをもっていること。妻でもなく、母でもなく、自分の軸となるものを持てていることは自信につながっていますね。
次のステップとしては、もう少ししごとの調整、整理をしていきたいと思っています。自分が好きな配分でしごとをしたい、家族との時間を大切にしたいという気持ちでフリーランスになりましたが、家でもできるとなると、逆に土日や夜もしごとをしてしまって。今、会社に所属している時よりも働いてしまっている状況です。
キャリアカウンセラーの先輩の中には70歳を超えても現役の人がたくさんいます。息長く働けるのはカウンセラーのしごとかな。
私は、一つの資格にこだわりません。同時並行で、いろいろなしごとをやって、興味関心や年齢、その時々のくらしに合わせて、軸足をシフトながら、ずっと働いていきたいと思っています。

山崎さんからのメッセージ

何でも興味関心をもって、飛び込んでいってください。私自身、一歩踏み入れると、景色が変わるのを何度も経験してきました。ちょっとでも興味をもったらどんどんやる、誰かに「これいいよ」とアドバイスされたものは、先入観をもたずに、まずはトライしてみる、人からもらった知識や縁は大事にして、「これは苦手」と最初から拒否することなく、まずは受け入れてほしいと思います。
それから、自分から「これやりたい」「これに興味がある」と情報を発信していくことが、とても大事です。何かのきっかけで「そういえば、あの人こういうこと言ってたな」と声をかけてくれることがあるかもしれません。誰かがしてくれるのを待つのではなく、自分から発信していくことで、つながることが必ずあると思っています。(2017年12月インタビュー)
女性キャリアモデル山崎さん写真
税理士・
キャリアカウンセラー
山崎 悦子さん

Life & Career History

年表_山崎様