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幼いころからの夢を実現。 念願のイルカのトレーナーになって水族館で働く
幼いころからの夢を実現。
念願のイルカのトレーナーになって水族館で働く
横浜・八景島シーパラダイス 飼育員 加登岡愛実さんKatouoka Ami
- 取得資格 特技
- スキューバダイビング、潜水士、普通自動車免許
- わたしの強み
- あきらめない・前向き
- このしごとに必要な力は?
- コミュニケーション力、継続力、課題発見/解決力
- 年齢
- 26歳
- 家族
- 一人暮らし
- 横浜・八景島シーパラダイスHP
8歳のとき、イルカのトレーナーになることを決意
きっかけは、横浜・八景島シーパラダイスで見たシロイルカのショーでした。祖母の家が八景島の近くで、小さなころからよく遊びに行っていたんです。もともと動物が大好きで、イルカショーのトレーナーを見て、小学校2、3年生のころには、「自分もあんなふうになりたい、水族館の飼育員を目指そう」と決めていました。
でも、どうすれば水族館の飼育員になれるのかわからない。それで、高校生の時、直接聞いたほうが早いと、シーパラダイスに行って、緊張しながら人事担当の方に聞いてみたんです。海洋系の大学や専門学校を出た人が多いと教えてもらって、自分が目指す方向が明確になりました。
水族館の飼育員になるには、さまざまなコースがあります。専門学校のなかにはドルフィントレーナーコースを設けているところがあって、10代で飼育員になる人もいると耳にしていたので、進学する時は、とても迷いました。
高校では、理系を選択して、生物資源系短期大学に進学。短大卒業後に専門学校に入学しなおすことも視野に入れていたのですが、その短大で、併設している4年制大学の授業も受けることができて、学んでいくうちに、もっと学びたくなって、4年制大学の海洋生物資学科に編入しました。
水族館のなかには、大卒でないと採用しないところもあると聞きます。私は、大学で、広く魚類の生態や海の環境のこと、食品加工のことなど海洋全般を学んだおかげで、視野が広がったと思っています。
積極的に情報収集、自ら動いてチャンスをつかむ
水族館の飼育員は、欠員が出ての募集が多いので、私は積極的に情報を集めました。大学に来る募集や水族館のホームページに出る採用情報はこまめにチェックして、それでも募集が出ていない水族館には、直接電話をかけて確認しました。
シーパラダイスは、小さい時から第一志望の就職先で、就活を迎えて、ずっとチェックしていたのですが、募集が出ない。「ああ、今年は出ないのかなあ」と思ったのですが、思い切って電話をして、求人があるか尋ねると「明日出そうと思っていた」って。しかも、電話に出られたのは、高校生のときに私の質問に答えてくれた人事の方で、私のことを覚えていてくださったんです。「ラッキー! 覚えてもらえていた!」って、試験を受ける時に、自信につながりました。
試験は、筆記試験と面接と実技。実技は水中に潜れるかどうかというものでしたが、私は全然潜れなくて。入社してから猛特訓となりました。
水族館の飼育員は、募集がそれほど多くないので、漫然と待っているだけでは、このしごとはつかめません。積極的に自分発信で動いて、チャンスをものにする、その気持ちが大切だと思います。
飼育員に求められる動物と人との信頼関係
入社して、ショーの動物と展示側の動物のどちらの飼育もするパフォーマンス展示チームに配属されました。すぐにショーにデビューできるわけはなく、ショーで使用する道具の操作や清掃、水中に潜る訓練から始まります。
素潜りって、水中種目を行うには、必須の技術なんです。水槽に物が落ちたら、すぐに拾いに行かなければなりません。動物が落ち着かなくなってしまうし、飲み込んだらたいへんです。
ウェットスーツを着用しての素潜りは、かなり難しくきつい訓練です。ウェットスーツの浮力があって、深く潜れない。ショーでは、素潜りなんてほとんどしませんが、動物も人もけがをさせないために徹底的に訓練するし、試験もあります。
ショートレーナーを経て、今は、ショーではなく、お客さまと動物たちとのふれあい施設でイルカやシロイルカを担当する鯨類チームで働いています。
イルカは機嫌が悪くなると、噛む可能性もありますし、オタリアがバンッて体当たりしてきたりする危険性もある。トレーナーは華やかで、簡単にやっているように見えるかもしれませんが、死と隣り合わせの危険もあるので、動物がかわいいというだけではなく、人もけがをしないよう、最大の注意を払っています。
それから、飼育員のしごとで大事なのは、動物との信頼関係ですね。人間と同じ、ごはんをあげて、触らせてもらって、サインに応えてもらってと、ちょくちょく会いに行って、少しずつ信頼関係を築いていきます。
そうやっているうちに、皮膚の色、目つき、体の大きさ、背びれの形などで、こちらも個体識別できるようになってくる。個体によって、性格はかなり違いますね。動物の個体識別は、動物の体調管理するうえでもとても重要です。
動物を訓練する時は、できるだけ負担をかけないように心がけています。ショーでイルカが動かなければ、体調が悪いのか、自分のサインの出し方が悪いのか、次のショーまでに課題解決に努めます。休みの日も、よく他の水族館のショーを観に行って、参考にさせてもらっていますね。
エンターテインメントと環境問題、動物が生きやすい世界をめざして
水族館に来ていただいたお客さまには、100%楽しんでほしいです。それから、水族館は、エンターテインメントだけでなく、環境問題を考える学習の場でもあります。ショーやプログラムを通して動物を好きになってくれれば、動物が生きている世界や環境に興味をもってもらえると思うんです。
私の理想は、動物が生き生きしているのはもちろん、その動物の姿を見たお客さまが動物を好きになって、最終的にはこの動物たちがいる世界を守りたい、という気持ちにつながるような場を作ること。
将来は、マネジメントや後輩を育てるしごとも増えてくると思っています。先輩が私に教えてくれたように、後輩にさまざまなことを伝えられるように成長していきたいです。
自分で、オリジナルなショーやプログラムも作ってみたいですね。今は、先輩が築き上げたものでショーやプログラムなどが動いているという状態ですが、新しいことに積極的に挑戦できるような人になりたいです。
それから、「繁殖」についても関心があります。鯨類の捕獲がきびしくなってきていて、「繁殖」は、一つの水族館だけでは難しくて他館との協力が不可欠なんです。水族館同士でコミュニケーションを取りながら、その道も探っていきたいです。
加登岡さんからのメッセージ
Life & Career History