「フォーラム通信」2024年冬春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2024年冬春号の特集は、「女性・スポーツ・ジェンダー」「サッカーをあきらめなくていい」。


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一冊の本を起点に自分の視野を広げる場に。読書体験をシェアする図書展示男女共同参画センター横浜男女共同参画センター横浜の情報ライブラリでは、10月11日の国際ガールズ・デーに合わせて月展示「本を読んで国際ガールズ・デーに参加しよう」を実施しました。国際ガールズ・デーの理念である「女の子の権利やエンパワメントの促進を呼びかける」をテーマに約100冊の本をセレクトし、関連するセンターの主催事業の紹介を交えて展示。1冊の本を起点に自分の生き方や働き方について考え、視野を広げられるような場をめざしました。同時に、情報ライブラリに集う利用者同士が読書体験をシェアできる試みとして、感想カード「#私の推し本」を企画し、展示に双方向性を持たせました。約2か月で小学生や高校生など若い世代の方をはじめ、さまざまな方から、51のおすすめ本とエピソードを寄せて頂きました。多くの方に読書のきっかけを届けることができ、感謝しています。今後も一人ひとりが本来持ち合わせている力を実感したり、自分の可能性を広げてみようと思えるような、出会いのある展示を企画・実施していきたいと思います。情報ライブラリ企画展示「本を読んで国際ガールズ·デーに参加しよう」さまざまなコメントが並んだ展示に足を止めて見る人も。フォーラム通信2024冬春号14「奨励賞」受賞!横浜市の単身世帯の住まいの状況・ニーズ調査〜シングル女性の課題を中心にまい事業本部事業企画課2022年度に実施した「横浜市の単身世帯の住まいの状況・ニーズ調査〜シングル女性の課題を中心に」が、NPO法人全国女性会館協議会の第17回事業企画大賞「奨励賞」を受賞しました。日本は、現役世代の単身者に対する公的な住宅支援が少なく、多くの単身者が民間賃貸住宅に住んでいます。また、女性は男性に比べて所得が少ない一方で、セキュリティ面から住まいの立地や防犯性を重視する人が多く、その結果、家賃の負担率が高くなってしまう傾向にあります。本調査ではそうしたジェンダーによる違いを裏付ける結果が得られました。審査員からは、「社会に新しい視点を提案しており、今後に期待できる企画」として評価されました。しかし、このようなシングル女性の住まいの課題を、一つの団体や一つの支援制度で解決することは難しいと思われます。また、住まいの課題が解決すれば、それ以外の問題も解決できるというわけでもありません。私たちが注目するのは、「コレクティブ・インパクト」という手法です。「コレクティブ・インパクト」とは、特定の社会課題に対して、単一セクターで解決しようとするのではなく、異なるセクター(企業、非営利組織、行政、市民など)が相互に強みやノウハウをもち寄って社会課題に対する働きかけを行い、課題解決や社会変革を目指すアプローチのことです。本調査の結果を踏まえつつ、女性の住まいの課題にどう立ち向かえばよいのかを考える第一歩として、今後様々なセクターの方といっしょに「女性の居住支援コレクティブ・インパクト勉強会」を開催する予定です(2024年2月頃)。日本テトラパック株式会社より、副賞として贈呈された紙パック飲料720本の一部●横浜市男女共同参画センターの取り組みを紹介します事業レポート


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