「フォーラム通信」2024年冬春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2024年冬春号の特集は、「女性・スポーツ・ジェンダー」「サッカーをあきらめなくていい」。


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カナダ首都:オタワ主要産業:金融・保険・不動産などのサービス業、製造業、建設業、鉱業、農林業公用語:フランス語、英語人口:約3,825万人(2021年)◆男女格差指数(GlobalGenderGapReport2023)順位は30位※日本は125位(146カ国中)できることを嬉しく思っています。俳優の仕事は、コロナ禍の直前から始めました。芸能事務所に所属し、活動しています。ある撮影現場で殺陣・スタントを見て興味を持ち、現在は殺陣にも挑戦中です。好きなことを仕事として存分にしていますが、やりたいことは尽きません。0-4日本での暮らしとの大きな違いは、時間に余裕があることです。カナダではフルタイムの定義は週30時間就労で、1日の労働時間を増やし、週休3日にする人も少なくありません。週末にキャンプや別荘にいく人も多く、家族や自分自身のために時間を使うことが当たり前のように感じます。日本で仕事をしていた頃は、ダンスや趣味、その他の時間を作るために睡眠時間を削り、いつも電車の中で寝ていました。カナダでは私生活が充実していないと、いい仕事ができないと考えている人が多いです。カナダの魅力カナダの好きなところの一つに、性別・年齢・肩書きを気にせずにやりたいことにいつでも挑戦できることがあります。銀行勤めをしていた人が保育士や弁護士など業種の全く異なる学校へ通い始めたり、子育てをしながら新たに資格や趣味を増やしていく人も多地球で生きてる私たち〜WorldWomen'sNOW!〜第10回カナダ家のそばにあるTroutLake公園やトレイルがあり、夏はファーマーズマーケットを開催。カナダでの暮らし3カナダ・バンクーバーに移住して1年目になります。学生の頃から海外留学に興味があり、自分で仕事をするようになったら海外で英語や文化を学びたいと思っていました。きっかけは鍼灸あん摩マッサージ師学校の就職活動時に見つけた海外でのインターン募集でした。バンクーバーに決めた理由は、大学から始めたブレイキン(ブレイクダンス)ができる環境だったことも大きいです。現在は、ダンサー、マッサージ師、そして駆け出しの俳優として働いています。ダンスの仕事では、ダンスバトル審査員、パフォーマンス、ワークショップ講師、作品の創作、イベント制作など様々な活動をしています。また、マッサージの仕事では、私自身も若いころから怪我が多かったので、ダンサーをサポートする存在として仕事がく、いつも沢山の方に刺激をもらっています。日本では〝親であること〟や、〝現在のステータスや仕事〟が最優先になっていて、やりたいことを新たに始めることにネガティブなイメージがありました。カナダではお互いのことをジャッジせずに尊重し、サポートし合う関係がもてます。40カナダでの子育てカナダは女性や子どもや子育てする方(LGBTQに対して理解が浸透している国なのであえてこの言い方をします)へのサポートがしっかりしている国だと感じます。市民権もしくは永住権を持っていれば基本的には医療費は無料で、低用量ピルもバンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州では2023年4月から処方・購入ともに無料になりました。週で59週で35%還付、6育休中の手当は、基本的に政府から還付され、そのパーセンテージも生後3%還付など、それぞれの都合で選択が可能です。政府からの子ども手当は収入によって多少異なるものの、日本に比べると手厚いです。ひとり親へのサポートもしっかりしており、DV被害者や職がないまま別居や離婚を選択した人などには、シェルター・住居提供、カウンセリング、家賃補助、職業訓練、衣類や家具のギフトなどのサポートがあります。カナダは〝子供は国の宝〟という意新鮮なブルーベリー収穫が毎年できますバンクーバーにある寺院で七五三参り識が強く、公園建設や家族向けのイベント提供なども国・州・市をあげて積極的に行われています。子どもの習いごとや休暇中の短期講習なども、政府から規定内で請求補助があり、子どもへさまざまな機会を与えようという意識を感じます。しかし、保育園に関してはとても割高で最低時給の仕事をすると元が取れないので、キンダー(年長)に入学するまでは子どもを預けない家庭も多いです。この背景には、幼少期に親が子どもと離れることあまり推奨していないということもあるようです。近年は0ドルで通え政府の政策により、1日1る保育園がカナダ全土で増えており、それぞれの家庭に合った選択ができるようになってきています。国やコミュニティから多くのサポートを受け、自分のやりたいことを諦めず、息子との二人三脚の生活を送っています。自分に正直に、やりたいことをいつでも挑戦できる社会が、今よりもっと広がれば良いと思います。嶋田桃子MomokoShimadaダンサー、マッサージ師、俳優。バンクーバー在住。5歳長男と二人暮らし。モットーは、一日一日を大事に生きること、「今日も大好きだよ」と息子と笑って一日を終えること。親子共々、和食好きで、自分へのご褒美は日本料理屋へ行くこと。息子には食を通じて日本のルーツを伝えていきたいです。9フォーラム通信2024冬春号


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