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相談無料横浜市健康福祉局¥特集2自分らしく生きるために、まずは年収300万 「今のままで、あとどのくらい生活できそうかな?」 離婚したてのシングルマザーに、私がよく聞くことです。「私には働くなんて無理」「家にいてあげないと子どもがかわいそう」と不安そうにおっしゃる方も、現実に目を向けるとハッと顔つきが変わります。 就職・転職の相談では、アルバイトで昼夜働くのではなく、より時給の高い仕事に就こう、長期的にキャリアを積み上げていこうとアドバイスします。これまで男性の仕事と思われてきた営業職や配送業をすすめることもあります。生活を安定させるために、まずは年収300万円を稼ぐことが目標です。 団体を作って5年。シングルマザーを雇いたいとの企業からの問い合わせは、600社を超えました。私が企業側にお願いするのは、坂道に男坂・女坂があるように、キャリアにもなだらかに上る「女坂」を作ってくださいということ。一人で子育てをしていれば長時間働けません。また、収入や出世だけでなく、周囲からの「ありがとう」という言葉や、自分の成長を実感できることが仕事へのモチベーションにつながります。〝気持ち〟へのサポートが必要なのです。 私の両親も離婚し、その後復縁しました。定年まで勤めて退職金を充分にもらえた父と、借金を抱えながら水商売をして私を育てた母。母を苦労させたのは父だったのに、皮肉にも父と復縁したことで母の暮らしは楽になりました。女性は努力と収入が比例しないのか、とショックでしたね。頑張るシングルマザーたちの力になりたいと思うとき、私の中に母がいます。 大切なのは、自分の強みは何か、子どもとどんな暮らしをしたいか、そのためにいくら必要かを明確にすることです。自立とは、自分が今持っているものを知ること、価値観を知ることから始まるのだと思います。日本シングルマザー支援協会を立ち上げ、“シングルマザー専門コーチ”としてお金や仕事の悩みに寄り添う江成道子さん。その独自の支援プログラムについてお話をうかがいました。[対象者]横浜市にお住まいの方 ※生活保護受給中の方を除くその他、一時生活支援や就労準備支援なども行っています。家計相談支援自分で家計を管理できるように、収支のバランスや債務状況を整理します。必要に応じて債務相談や貸付窓口の紹介も行います。自立相談支援自立に向けてどのような支援が必要か、支援員がいっしょに考え、寄り添いながら支援します。生活に困ったら、お住まいの区の福祉保健センター生活支援課へ江成道子さん(一般社団法人日本シングルマザー支援協会代表理事)夫の借金を背負っての離婚により、貧困を肌で感じながらの子育てを経験。その後仕事を変えながら収入を上げ、生活の基盤を作る。2012年よりシングルマザー専門コーチとして活動を始め、多くのシングルマザーの心に寄り添う。2013年に日本シングルマザー支援協会を設立、2018年2月に横浜市と「ひとり親家庭の自立支援に関する連携協定(通称:ひとり親応援協定)」を締結した。2度の離婚を経験し、5人の娘と4人の孫がいる。PROfiLE自分らしく生きるためにまずは年収300万特集27 フォーラム通信2018夏号