「フォーラム通信」2018年春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2018年春号の特集は、「世の中は“息苦しく”なっている?」


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♯下品だからダメ?︱ まずは昨年話題になったCMをいっしょに見ていただけますか。 これ、商品(ビール)を男性器に見立てていると思うのですが、男性にそれを買わせて飲ませようというのは、ある意味すごいテクニックじゃ⋮。女性たちの胸を不自然に強調しているし、セリフやカメラワークはAVを連想させる。女性を性的に商品化している。商品のターゲットである男性に向けて極端な表現をしただけ。騒ぐほどのことじゃない。下品で不快。♯絶頂うまい出張ビールのPR動画。男性社員が出張先で現地の女性と出会い、食事をともにするようすが描かれている。出演している女性たちが「肉汁いっぱい出ました」「コックゥ∼ん!しちゃった」といったセリフを発する。-◀ -- ▶-  TV・CM*の世界では、性に関する表現をめぐって炎上が相次いでいます。「性差別的だ」と抗議が寄せられる一方、「ネタを分かっていない」「この程度で抗議するなんて、世の中は息苦しくなっている」という声もあります。 メディアが炎上するとき、そこではどんな議論が交わされているのでしょう。評論家のマサキチトセさんにうかがいました。は〝息苦いる?TV・CMの炎上をめぐってマサキチトセ1985年栃木県足利市生まれ。同県佐野市で17歳まで育ったあとニュージーランド、カリフォルニアに住む。3年間日本に住んだのち、シカゴ大学大学院でジェンダーとセクシュアリティーの社会学を専攻。現在は館林市に住み、クィア*理論、フェミニズム、社会運動論をメインに評論活動をしながら、ダイニングバー「FATCATSBAR&GRILL」を経営する。YOUTUBERとしてLGBT、クィア、女性などマイノリティーフレンドリーな英会話レッスン動画を公開中。*クィア(QUEER) 本来の語義は「奇妙な」で、かつては日本語の「変態」に近い否定的な意味で使われていたが、アメリカでは1990年代ころから、性的マイノリティーがこの言葉を自分に対して肯定的に使い始めた。マイノリティーが自分に投げつけられる侮蔑語を逆用して、新たな意味に転じさせた注目すべき例と言われている。*CM ここでは、商業用のメッセージ全般を指す。PROfiLEHP包帯のような嘘TWITTER@GIMMEAQUEEREYEクィア英会話《マサキ》-MASAKI-世の中 しく〟なってフォーラム通信2018春号 2


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