003【横浜連合婦人会館史を読む】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


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もに給食し、年末に餅を配ったりする実践的活動と、女性が本来持つ力を発揮できるように皆で学びと実践の場を開く社会教育的活動は、現在私たちのセンターが地域の活動拠点として行っていることに符合する。前者の社会(福祉)事業は、世界的にみても一九世紀末から多くの女性の手で組織化され、発展してきた。横浜で外国人女性やキリスト者とともに活動したリーダーにもその情報は伝わっていたことだろう。また、リーダーがカリスマにならずに、価値観や立場の異なる多くの人々や団体と協働したことも光を放っている。そのような発想とスタイルで活動することで社会を変えてきた実例である。今日でもたやすいことではないが、私たちも自分の知る世界だけにとどまらず、これに倣い、続きたい。建物としての会館の寿命は有限だ。現在も私たちは老朽化した会館の修繕に苦心している。が、その建物、場の中でたくさんの人々が出会い、仲間と共に活動し、個人も社会も次の一歩を進めてきた。人々の営み、歴史的時間がやわらかい空気となって空間に降り積もっているのを感じる。たくさんのご協力者、寄付者のみなさま、スタッフに心より感謝する。今後、インターネット上で原史料も含めて公開予定である。この一冊の史料がさまざまな角度から今後の研究のタネとして、実践現場の知恵袋として生かされることを願っている。小園弥生(男女共同参画センター横浜南館長)245あとがき


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