001【表紙~本冊】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


>> P.90

去を労して躬行実践に努め給うのでございます。孤児院長として全国的に一大模範を示さるる一例を採りて見るも決して理智や手腕や財力のみにてしかるべきにはあらで、全く深く蔵し給うこの崇嵩にして偉大なる御人格の御力の致すところと拝察するのでございます。私共は夫人に接して常に慈母の懐に抱かるるかの如き温かさと神仏の御胸にすがるごとき光明と力を感じ、したがって会に出席するなども何となく暗夜に光明に向って歩むような心地しつつ知らず知らずの間に十余年を閲けみしたような次第でございます。なおおそれ多きこととは存じますが率直に申し述べますれば、私は常に光明皇后様を追想し奉り和宮様を偲び更に昭憲皇太后様の御神徳を追念し奉る時、いつも思いは夫人の御人格へと及ぶのでございます。又千手をさし伸べて抜苦与楽有りとしあらゆる無辺の衆生をお救い下さる観音も現世において夫人を通じて仰ぐことが出来るような気持ちもするのでございます。今や夫人に対する涯り無き敬慕と感謝との辞を綴らんとすれば拙き筆端却って宝珠の如き御人格を汚すやの恐れに堪えませぬ。夫人の御存在は常に御一己、御一家のためのみではなく、実に本市本県の国家の、人類力となり光明でございます。ねがわくはこの上とも御尊体御大切にあそばされ八千の椿寿をお重ね下さいますよう心より御願い申し上げつつ筆をおきます。頌徳の胸像丹波美佐尾当会長渡辺玉子様が勤勉節約を旨とせられ、孜々として斉家の実を挙げ近隣知友親戚との交りを厚くし、よき主婦であり又よ横浜連合婦人会館史100年のバトンを受けとる90


<< | < | > | >>