001【表紙~本冊】横浜連合婦人会館史 100年のバトンを受けとる

「横浜連合婦人会館史」100年のバトンを受け取る(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)


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ると言うご熱心に大いに力を得ました。この出品のうちに中山家に御縁故の方の御口添えで、大帝御幼少の折、御用いあそばされた御玩具を拝借する運びとなりました。ところがその使い番が大役でした。拝借する際も返上する際も両手でささげて行かねばならぬので到底婦人には出来ません。そこで羽織袴に服装した男子の方に行って頂いたのでした。そんなこんなで色々と言うに言われぬ苦心がありましたが、日を経るにつれ二度三度と重ねて来て下さる方や、丁寧に手帳に書きとめて帰る方などあり、四時の閉会を五時に延長するほどでした。お昼食などもおちおちする暇のないような忙しい日が続きましたが、ほんとうに意義の深い催しとして終始しましたのでさきの苦労も吹っ飛んでしまい、今もなお忘れ得ぬ日記の一節として残っております。絞り染講習会東京の家庭製作品奨励会からの紹介で、絞り染の先生が見えました。野村さん、二宮さん、髙木鐸子さんにご相談しましたが、こちらでも神嘗祭に不用品交換会バザーを大々的に挙行して、奨励会を社会的に宣伝しようという計画がありましたので、この講習会には甚だ気乗りが致しませんでしたが、進行博士の髙木さんの知恵を拝借して、私達二、三人の者がだだをこねた形で遂に九月の始めにこの講習会を開催することになりましたが、何となく私の落ちつかぬ素振りに気のついた良人が事情を知って、貿易新報の三宅〔さん〕に助力を頼んでくれました。ところが折よく三宅さんのご親類のお年寄りの賀の祝いの贈り物として、ある奥様が女子青年会で絞り染の講習を受けて自作の布団を差上げたことを感心してい67横浜連合婦人会回顧録


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