「フォーラム通信」2022年夏秋号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2022年夏秋号のテーマは、特集「自分の声を大切に」。


>> P.14

対象者横浜市在住で、18歳以上59歳以下の独身者で、1人暮らしをしている女性(就学者を除く)15人調査期間2021年9月〜11月質問項目(1)住宅形態と住宅の広さ・間取り(2)住宅にかかる費用、住居費負担率(収入に対して住居費が占める割合)(3)住まいを選んだ理由(4)一人暮らしに至る経緯(5)地域とのつながり(6)住宅や暮らし方についての希望、不満や悩み(7)将来の見通し(どこでどんな住まいで暮らしていくか)(8)欲しいサポート調査監修者葛西リサさん(追手門学院大学准教授)報告会ゲストスピーカー和田靜香さん(ライター)調査結果単身女性にとって住居費の負担は重く、厳しい状況に置かれていることが判明。住居費負担率(収入に占める住居費の割合)の平均は37%で、そのうち、50%を超えていた方が3名。防犯面や通勤立地を考慮せざるを得ず、住居の選択肢が限られる状況も。家賃補助と公的な住宅の確保(公営住宅の改善)を望む声が多かった。NPO法人フォトボイス・プロジェクト東日本大震災のあった2011年の6月より、岩手県(宮古市)、宮城県(仙台市、石巻市、女川町)、福島県(郡山市、福島市)、広域避難の方が暮らす東京の7ヵ所のグループで、写真を通じて語り合う活動を継続的に支援するとともに、その実績としての展示会や写真集の刊行などにより幅広く社会に発信。フォトボイス・ミーティングでは、グループメンバーの経験や想いの語り合いを重ねながら、グリーフケアと個人・グループの成長をめざしています。この手法が一人ひとりの気持ちを癒し、次のステップに歩む後押しになると思った。『声』はグループで話し合ってできていること、言葉の重みの大切さを感じた」テレビや雑誌では見ることができない被災した女性たちの眼差しの先にあるもの、想いを知ることができた大変貴重な展示」発信の力を大切にしていくべきだと感じた」フォーラム通信2022夏秋号14●横浜市男女共同参画センター・協会事業本部の取り組みを紹介します事業レポート事業本部事業企画課調査概要「「「単身女性の住まいの調査日本では、家族世帯向けの住宅支援は手厚い一方、単身者に対する支援は少なく、また、女性は男性に比べ低賃金である上に、セキュリティ面から住まいの立地や防犯面なども考慮せざるを得ず、家賃の負担率(住居費負担率)が高くなってしまう傾向にあります。このような背景をふまえ、横浜市内に住む一人暮らしの女性が住まいについて直面している課題や支援ニーズを明らかにするため、2021年秋、計15名の方にヒアリング調査を行いました。また、2022年3月、同調査についてのオンライン報告会を行い、当事者、研究者、支援職の方、メディアの方など様々な立場の方41名が参加しました。得られた調査結果をいかし、2022年度にアンケート調査を実施し、課題の解決につなげていきたいと思います。男女共同参画センター横浜北東日本大震災を経験した災を女性たちのフォトボイス展〉〉〉開催期間2022年3月6日〜18日国際女性デー(3月8日)記念事業として、NPO法人フォトボイス・プロジェクトによる、東日本大震災で被災した女性たちの「写真」と「声」44点を交流ラウンジ・ミニギャラリーで展示しました。フォトボイスとは、参加メンバーが撮影した写真を持ち寄ってグループで話し合い、自分の経験や心情をもとに伝えたいメッセージを作り、様々な媒体を通して社会に伝える手法です。海外では、特に社会的に弱い立場におかれた人々の声を伝え、人権の向上をめざすために有効な参加型の方法として幅広い分野で用いられています。今回の展示では、被災した女性たちが地域社会の一員、個人、女性としての多様な視点で撮った「写真」と「声」を表現しました。震災当時からその後の避難所や仮設での生活、また地震、津波、原発事故の影響などについての心情、そして社会の課題やこれからの希望が社会へのメッセージとして発信され、300人近い来場者からは、震災を風化させないことへの気づき、被災者に寄せた想いや防災意識など多くの感想をいただきました。


<< | < | > | >>